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2008年 10月 05日
今日だいぶ前に古本で買った雑誌「太陽、俳句特集」を読んだりしてた。
その中の1ページに俳人、金子兜太が載っていて。そこには自選十句、兜太の横顔のモノクロ写真、俳句に対する彼自身の考えが書かれてあった。 「伝統派の人たちは、古き良きものを現代に生かす」でしょ。 「僕のは、古き良きものに現代を生かす」なんです。 なるほど...。 その時僕は雑誌から少し目をそらし。ルネッサンス、古典美術に自分の美を重ねたメイプルソープの事を考えた。 そして再び雑誌の方に目を移してみると、黒い文字で敷き詰められた紙面の上を淡いグレーの一匹の小さな蜘蛛が這っているのを見つけた。活字の黒い輪郭と蜘蛛の動きが重なる。 今まで見たことのない景色、不思議なコントラスト。蜘蛛はそのまま紙面の上方へと向い、兜太の写真の逆行で黒く潰れた影の所に差しかかった。兜太の横顔の上をうろうろしている〜 僕は少しもったいない気もしたけど、とりあえず立ち上がってベランダにその蜘蛛をはらった。 外は秋晴れで気持ちいい!今日は撮影に行く予定だったのになぁ。 部屋に入り続きを読むと、そのページの最後には自選十句があって。その最初の一句が 「曼珠沙華 どれも腹出し 秩父の子」とあった。 曼珠沙華と蜘蛛のフォルムが重なり、紙面と蜘蛛とメイプルソープのモノクロに彼岸の赤が加わる。 兜太とメイプルソープと蜘蛛と曼珠沙華。 確実に風邪をひいた今日〜小さな秋を見つけました。
by nyazin
| 2008-10-05 02:34
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